我々の人生の約3分の1は睡眠に費やされていますが、その中でも特に興味深いのが「レム睡眠」です。
人間は他の霊長類と比較して、このレム睡眠の時間が長いということをご存知でしょうか?
今回は、なぜ人間のレム睡眠が他の霊長類より長いのか、その理由を徹底解剖していきます。
「レム睡眠が多い」と聞くと、「じゃあ深く眠ってる時間が短いってこと!?」というイメージを持ってしまうかもしれませんが、レム睡眠もノンレム睡眠もどちらも必要不可欠なんですよね。
ノンレム睡眠は身体の回復なのに対して、レム睡眠は脳やメンタルの回復だから、それぞれ役割があるのね。
レム睡眠とは何か?

まず、レム睡眠について簡単におさらいしましょう。
レム睡眠(REM sleep: Rapid Eye Movement sleep)は、眼球が素早く動く状態の睡眠で、夢を見ることが多い段階です。
脳波が覚醒時に近い活発な状態になるにもかかわらず、筋肉は一時的に麻痺します。
これに対し、ノンレム睡眠は脳波が穏やかで、深い休息を取る段階です。
一晩の睡眠の中で、ノンレム睡眠とレム睡眠を90〜120分周期で繰り返しています。
レム睡眠の特徴
- 眼球が急速に動く
- 夢を見ることが多い
- 脳が覚醒時に近い活動を示す
- 筋肉の活動が抑制される
金縛りは、何らかの原因でノンレム睡眠とレム睡眠のサイクルが崩れることで起こる現象です。
人間と他の霊長類のレム睡眠の違い

研究によると、人間の総睡眠時間のうち約20-25%がレム睡眠に費やされています。
一方、チンパンジーやゴリラなどの大型類人猿では、レム睡眠は総睡眠時間の約14-18%程度です。
なぜこのような違いが生じるのでしょうか?
人間と他の霊長類の睡眠比較
- 人間:総睡眠時間の20-25%がレム睡眠
- チンパンジー:約15%
- マカクザル:約10%
- ロリス:約5%
こうやって見てみると、ロリスとチンパンジーでも結構違うものなのね。
人間のレム睡眠が長い4つの理由

1. 脳の発達と学習能力
人間の脳は他の霊長類と比較して極めて複雑です。
レム睡眠中、脳は日中に得た情報を処理し、記憶の定着や再構成を行っていると考えられています。
特に、複雑な認知機能や創造的思考、問題解決能力などの高次脳機能の発達には、レム睡眠が重要な役割を果たしているようです。
人間の優れた学習能力や言語能力は、このレム睡眠の延長と関連しているかもしれません。
2. 文化的・社会的複雑性への適応
人間社会は他の霊長類の社会と比較して、文化的にも社会的にも非常に複雑です。
こうした複雑な社会環境に適応するために、脳は多くの社会的情報を処理する必要があります。
レム睡眠は感情処理や社会的認知にも関わっていると考えられており、複雑な社会関係を維持するために重要な役割を果たしているのかもしれません。
3. 創造性と想像力の発達
人間は高度な創造性や想像力を持っています。
レム睡眠中に見る夢は、新しいアイデアや概念の形成に関与していると考えられています。
芸術や科学など、人間特有の創造的活動は、レム睡眠の延長によって促進されている可能性があります。
4. 安全な睡眠環境
進化の過程で、人間は火の使用や住居の構築など、より安全な睡眠環境を作り出してきました。
これにより、捕食者から身を守りながら、より深い睡眠やレム睡眠を確保できるようになったと考えられています。
一方、野生の霊長類は常に捕食者の脅威にさらされており、深いレム睡眠に長時間入ることは危険を伴います。
せっかく安全な環境で眠れるのに、睡眠を削ってまで頑張ろうとする人は非常にもったいないです。
レム睡眠の機能と重要性

レム睡眠が長いことで、人間にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
記憶の強化と整理
レム睡眠は新しい記憶の定着や既存の記憶との統合に重要な役割を果たしています。
学習した内容を睡眠によって強化する「睡眠依存性記憶固定化」には、レム睡眠が不可欠です。
感情の処理
日中に経験した感情的な出来事は、レム睡眠中に処理されると考えられています。
これにより、心理的なバランスが保たれ、ストレスの軽減にも役立っています。
脳の発達
特に乳幼児期において、レム睡眠は脳の発達と神経回路の形成に重要です。
人間の赤ちゃんは他の霊長類の赤ちゃんよりもレム睡眠の割合が高く、これが脳の急速な発達に寄与していると考えられています。
勉強したことを覚えておきたかったら、すぐ寝てしまうのが効果的なのね。
レム睡眠不足の影響

現代社会では、睡眠時間の短縮や質の低下が問題となっています。
特にレム睡眠が不足すると、どのような影響があるのでしょうか?
- 記憶力や学習能力の低下
- 感情コントロールの困難
- 創造性の減少
- 気分障害のリスク増加
- 集中力の低下
睡眠不足は最恐でデバフです!
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良質なレム睡眠を得るために

良質なレム睡眠を得るためには、以下のような点に注意しましょう。
- 規則正しい睡眠スケジュールを維持する
- 寝る前のスクリーン使用を避ける(ブルーライトの抑制)
- 快適な睡眠環境を整える(適切な温度、暗さ、静けさ)
- カフェインやアルコールの摂取を就寝前に控える
- 適度な運動を日常に取り入れる(ただし就寝直前は避ける)
「当たり前のことを当たり前にやるだけ」というのが案外難しかったりするのね。
まとめ

人間のレム睡眠が他の霊長類より長い理由は、脳の発達、複雑な社会への適応、創造性の向上、安全な睡眠環境の確保など、様々な要因が考えられます。
レム睡眠は認知機能や感情処理に重要な役割を果たしており、健康な生活のために良質な睡眠を確保することが大切です。
睡眠は単なる休息の時間ではなく、脳と身体が活発に活動し、日々の生活に備えるための重要な時間なのです。
特にレム睡眠の質と量を確保することで、より創造的で感情的にバランスの取れた生活を送ることができるでしょう。
進化の観点から見たレム睡眠
- 安全な睡眠環境の獲得(火の使用や集団での睡眠)
- 昼行性への移行
- エネルギー節約の必要性
疑問なのが、ショートスリーパーの人は「ノンレム睡眠の時間は一般の人とほぼ同じ」という特徴がありますが、レム睡眠不足については大丈夫なんでしょうかね。
本物のショートスリーパーは特有の遺伝子を持っていることは研究で分かっているけど、レム睡眠不足による影響に関しては今のところ未知数なのね。
睡眠の世界はまだまだ謎が多いですね。