サイト | 評価(5段階) |
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Filmarks | ★×3.7 |
映画.com | ★×3.4 |
Amazon Prime Video | - |
スタジオジブリ作品の中でも、ひときわノスタルジックな雰囲気をまとう2011年公開の『コクリコ坂から』。
1960年代の横浜を舞台に、高校生たちの青春と葛藤を描いた本作は、公開から時を経た今もなお、多くの人々を魅了し続けています。
今回は、『コクリコ坂から』の魅力に迫り、古き良き時代の面影を辿ります。

ファンタジー系とはまた違ったワクワク感のある世界観を堪能できます。
昭和の魅力がギッシリ詰まった作品だよね!


『コクリコ坂から』のあらすじ

1963年(昭和38年)の横浜を舞台に、女子高校生『松崎海(うみ)』と男子高校生・『風間俊(しゅん)』の青春を描いた物語です。
海は、亡き父の遺した下宿「コクリコ荘」を切り盛りしながら、学校に通っています。
彼女は、毎朝「安全な航行を祈る」という願いを込め、港に向けて信号旗を掲げていました。
ある日、学校では老朽化した文化部の部室棟「カルチェラタン」の取り壊し問題が持ち上がります。
その保存運動の中心にいたのが、新聞部の俊でした。海は俊と出会い、次第に心を通わせていきます。
しかし、ある日、俊が「自分たちは兄妹かもしれない」と衝撃の事実を打ち明けます。
動揺する海と俊。それでも、お互いの気持ちは変わりません。
やがて、海の母・良子が帰国し、俊の過去について明かされます。
俊は実の兄ではなく、戦争で亡くなった父の親友の子どもであることが判明。
血のつながりがないことを知った二人は、改めてお互いの想いを確かめ合います。
一方、文化部の生徒たちは、カルチェラタンを守るため、東京の学園理事長のもとへ直談判に向かいます。
努力の末、取り壊しは中止され、校舎の存続が決まります。
物語のラストでは、海と俊が「本当の父」との再会を果たし、二人の未来に希望を感じさせるシーンで締めくくられます。
主な登場人物
- 小松崎海(こまつざき うみ):通称メル。コクリコ荘の女主人で、高校2年生。
- 風間俊(かざま しゅん):高校3年生。新聞部部長。カルチェラタンの保存運動の中心人物。
- 水沼史郎(みずぬま しろう):高校3年生。生徒会長。俊の親友。

メルの作ったアジフライと、俊が肉屋で買っていたコロッケがメチャクチャ美味しそうです。
お腹減ってる時に買い食いする肉屋のコロッケってなんであんなに美味しいんだろうね!

古き良き時代の魅力

物語の舞台は、1963年の横浜。
高度経済成長期を迎えつつも、まだ古き良き日本の情緒が残る時代です。
木造建築が立ち並ぶ街並みや、手書きの看板、新聞の切り抜きを使った掲示板など、細部にまでこだわった描写が本作の大きな魅力の一つです。
- レトロな街並み
- 港を行き交う船
- 坂の上にあるコクリコ荘
また、主人公の海と俊が通う学校にある「カルチェラタン」という古い部室棟は、学生たちにとって青春の象徴とも言える場所です。
この建物の存続を巡るエピソードは、単なる施設の存廃を超え、時代の変化と伝統の継承という大きなテーマを内包しています。
「カルチェラタン」は子供の頃に友達と作った秘密基地の時のことを思い出させてくれるような空間だよね!

青春と葛藤の物語

『コクリコ坂から』は、主人公・松崎海と風間俊の関係を中心に展開します。
互いに惹かれ合う二人ですが、ある出来事がきっかけで自分たちの出生の秘密を知ることになり、思い悩みます。
恋愛の甘さだけではなく、アイデンティティの揺らぎや家族の絆といったテーマが絡み合い、物語に深みを与えています。
また、カルチェラタンを守るために奮闘する学生たちの姿も、本作の大きな見どころです。
大人たちに振り回されながらも、自らの信念を持ち、行動する若者たちのエネルギーは、観る者に勇気を与えてくれます。

「兄妹だった→実は違った!」というのは割とありがちなパターンですが、本作はその辺りもスッキリ爽やかに表現されているので、胃もたれせずに済みます。
音楽と映像が紡ぐノスタルジー

『コクリコ坂から』の魅力を語る上で欠かせないのが、その美しい映像と音楽です。
温かみのある手描きのアニメーションは、どこか懐かしさを感じさせ、細やかな背景美術が作品の世界観を引き立てています。
音楽もまた、作品の雰囲気を高める重要な要素です。
坂本九の「上を向いて歩こう」や、劇中で流れるピアノの旋律は、1960年代のノスタルジーを色濃く反映し、作品の世界に深く引き込まれます。

個人的には、この映画の主題歌である『さよならの夏』が大好きで、ジブリシリーズの曲の中でも1番です!
オリジナルは1976年に森山良子さんが歌っているんだよね!


『コクリコ坂から』の古き良き時代の世界観とベストマッチしている素晴らしい曲ですよね。
時代を超えて響くメッセージ

本作は、過去を大切にしつつも未来を見据えることの重要性を訴えています。
また、家族や友人との絆、地域社会とのつながりを大切にすることの意義も描かれています。
このような普遍的なテーマは、現代を生きる我々にも大いに共感できるものです。
「戦後の日本が舞台」と聞くと、どうしても説教臭いイメージがあるけど、本作はそういったことは一切ないんだよね!

まとめ

サイト | 評価(5段階) |
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Filmarks | ★×3.7 |
映画.com | ★×3.4 |
Amazon Prime Video | - |
『コクリコ坂から』は、ただの恋愛映画ではなく、時代の変化に揺れる若者たちの姿を描いた青春ドラマです。
ポイント
- 舞台設定: 1963年の横浜、港町の雰囲気が描かれており、東京オリンピックの前年の日本を感じることができます。
- 主要キャラクター:主人公の松崎海(うみ)と風間俊(しゅん)が中心に描かれている。
- 物語のテーマ:自分のルーツや家族の歴史を探ることで、自分自身を見つける旅。
- 歴史と伝統:古い学生寮「カルチェラタン」の保存運動を通じて、日本の歴史や伝統を守ることの重要性が描かれている。
- 友情と愛:海と俊の間の友情や愛情が中心に描かれている。
- 音楽:作中には感動的な音楽が多く使用されており、物語を一層引き立てる。
古き良き日本の風景と、変わりゆく時代の中で奮闘する登場人物たちの姿が、観る者の心に深く響きます。
ジブリ作品の中でも特にリアルで感動的な本作。
まだ観たことがない方は、ぜひ一度その世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

突き抜けるような面白さのある作品ではありませんが、心がジンワリ温まる面白さのある作品です。
マッタリと何か観たい時にピッタリの映画だよね!

