商品やサービスの選択肢が多ければ多いほど消費者は喜ぶ、というのが一般的な考え方です。
しかし、実際には選択肢が多すぎると、逆に決定に悩んでしまうことがあります。
この現象を説明する「ジャムの法則」についてご紹介します。

「一応念の為」と色々バリエーションを用意したくなる気持ちは凄くよく分かりますが、客目線だと確かに逆効果になる場合もありますね。
ラーメン屋なのにカレーやカツ丼もやっているお店よりも、ラーメン一本でやっているお店の方が入りたくなるよね!

ジャムの法則とは?

2000年にコロンビア大学の心理学者シーナ・アイエンガー博士が行った実験に基づく法則です。
この実験では、スーパーの店頭に並べられたジャムの種類を「24種類」と「6種類」で比較し、消費者の行動を観察しました。
その結果、以下のような驚きの事実が明らかになりました。
- 24種類のジャムを並べた場合、試食する人は多かったものの、実際に購入する人は少なかった。
- 6種類のジャムを並べた場合、試食する人は少なかったが、購入率は大幅に上昇した。
つまり、選択肢が多すぎると「選べない」という心理が働き、最終的な決定を避ける傾向があるのです。

子どもの頃に祭りに行って、夜店がいっぱいありすぎて、どれにしようか迷ってるうちに結局何も買わずに集合場所に戻ってきたということがありました。
まさにジャムの法則だね!

6種類が満足度を高める理由

1. 決断の容易さ
選択肢が少ない方が、消費者は決定を下しやすくなります。
多すぎる選択肢は迷いや不安を生み、決断を遅らせる要因となります。
2. 選択の質の向上
少ない選択肢の中から選ぶことで、消費者はより自分に合ったものを選ぶことができ、満足度が高まります。
3. 疲労感の軽減
多くの選択肢を比較検討するのは疲れる作業です。
選択肢が少ない方が、消費者は心理的負担が軽減され、購買意欲が向上します。
4. 後悔の減少
選択肢が多いと、選んだ後に「他の選択肢の方が良かったかもしれない」という後悔が生じやすくなります。
少ない選択肢の方が後悔を減らし、満足感を高めます。
5. 決定疲れを防ぐ
人間の脳は決定を下すたびにエネルギーを消費します。
「決定疲れ」により、本来楽しいはずのショッピングがストレスに変わることも。
選択肢を減らすことで、決定疲れを防ぎ、より良い判断ができるようになります。

決定疲れを少しでも軽減するため、自分の場合は「カラー選択は全て黒!」と決めてしまっています。
実に合理的だし、実際に体感あるぐらい日々のめんどくささが軽減されたもんね!

-
-
【脳の負担を減らす!】カラー選択を「黒」に固定するシンプルライフ
日常生活の中で、意識しないうちに多くの選択をしています。 服装、インテリア、文具などのカラー選択もその一つです。 この記事では、カラー選択を「黒」に固定することで脳の負担を軽減し、シンプルなライフスタ ...
続きを見る
まとめ

「選択肢が多いほど良い」という考えは一見正しそうですが、実は逆効果になることもあります。
「ジャムの法則」が示すように、適度な選択肢の絞り込みが、満足度や購入率を高めるカギとなります。
日常生活やビジネスにおいても、「選択肢を減らす」ことが、より良い決断につながるかもしれません。
選択肢を絞り込むことは、一見すると機会損失のように思えます。
しかし、顧客の心理を理解し、適切な選択肢を提供することで、満足度と成果を最大化することができるでしょう。
ポイント
- 商品の品揃え:顧客にとって最適な選択肢の数を見極め、絞り込むことで、購買意欲を高めることができます。
- プレゼンテーション:伝えたいメッセージを絞り込み、ポイントを明確にすることで、相手に伝わりやすくなります。
- ToDoリスト:抱えているタスクを絞り込み、優先順位をつけることで、効率的に作業を進めることができます。

「選択肢を必要最低限に絞る」というのは案外汎用性がありますからね。
「人に分かりやすく伝えるにはどうすればいいだろう?」と思った時には、まずこの「ジャムの法則」を思い出すといいよね!
